資格なしでオンライン日本語教師になれるか

「日本語教師には資格が要る」という説明をよく見かけます。半分は正しく、半分は当てはまりません。 分かれ目は、どこで誰に教えるかです。

2024年4月に「登録日本語教員」という国家資格ができました。これは国内の認定日本語教育機関で教えるための制度です。一方、海外の学習者にオンラインで教える場合や、海外の企業から日本語指導の仕事を受ける場合は、この資格が前提になっているわけではありません。

このページでは、資格が要る場面と要らない場面を分けて整理します。そのうえで、当サイトが実際に掲載している日本語指導の案件が何を条件にしているかを示します。当サイトの掲載は現在3件(累計5件)と多くありません。少ない理由も含めて正直に書きます。

まず「どこで教えるか」を分ける

資格の話は、ここを分けないと噛み合いません。

教える場所資格報酬の出どころ
国内の認定日本語教育機関登録日本語教員(国家資格)が関わる日本円・雇用または委託
レッスンプラットフォーム(italki など)資格なしの枠が用意されているドル建て・生徒が直接支払う
海外企業からの日本語指導の依頼募集ごとに条件が違うドル建て・案件ごとの契約

当サイトが扱っているのは3行目です。日本にいながらドルで受け取る仕事を集めているためです。この行では「国家資格を持っているか」を条件にしている募集を、当サイトはこれまで観測していません。

「資格が要る」という説明を読むときの注意

資格スクールや養成講座の説明では、当然ながら1行目を前提にしています。書いてあることが誤りなのではなく、前提が違います。自分がどの行を目指しているのかを先に決めてから読んでください。

2024年にできた国家資格とは何か

古い情報が出回っている領域です。制度の名前が変わったことだけは押さえておいてください。

名称位置づけ開始
登録日本語教員国家資格2024年4月
日本語教育能力検定試験2024年4月以前から認められていた民間試験従来から

2023年5月に「日本語教育機関認定法」が成立し、2024年4月から国家資格化されました。国家資格を得るには日本語教員試験に合格する必要があります。

経過措置がある

新制度の開始前から日本語教育に携わっていた人が移行できるようにする時限措置が置かれています。

  • 2019年4月1日〜2029年3月31日に国内の日本語教育機関で1年以上勤務した人は、日本語教員試験の一部が免除される
  • 日本語教育能力検定試験の合格者420時間以上の日本語教師養成講座の修了者基礎試験が免除される
  • 2024年以降に合格した日本語教育能力検定試験は、経過措置の対象にならない
この節の出典について

大学の通信教育部や日本語教師向けの情報サイトの記述をもとにしています。**文化庁・文部科学省の告示そのものは当サイトで確認していません。** 制度の詳細、特に経過措置の適用可否は、必ず一次情報でご確認ください。当サイトはここを断定的に書きません。

レッスンプラットフォームには資格なしの枠がある

オンラインで日本語を教える仕事の主戦場です。

italki のようなレッスンプラットフォームには、Community TutorProfessional Teacher の2種類の登録枠があります。公式は前者を「正式な教員研修を受けていないネイティブまたは流暢な話者」と説明し、会話練習を主な用途に挙げています。後者には "formal teaching qualifications" を求めています。

Community TutorProfessional Teacher
資格不要とされる必要
レッスン価格$4〜$20$10〜$40
向く用途会話練習・話す自信をつける体系的な学習・文法・試験対策

つまり資格が無くても始められる枠は用意されているが、価格帯の上は取りにくいという構造です。価格帯は公式ブログの記載で、言語別の内訳は公開されていないため、日本語レッスンに限った相場ではありません。

手数料の率は当サイトで確認できていません

italki は「講師側から手数料を取る」と公式に書いていますが、率を公開していません。第三者の記述は「長らく15%」「2025年2月から最大21%」と割れています。手取りに直結する数字なので、登録前に必ず公式の案内でご確認ください。

当サイトが掲載している日本語指導の案件は何を求めているか

実際の募集文がどう書かれているかです。

当サイトは掲載中51件・掲載終了96件の案件を毎日巡回しています。そのうち日本語指導にあたるものは掲載中3件・累計5件です。数が少ないことは隠しません。理由は次の節で説明します。

これらの募集で条件として書かれているのは、日本語を母語とすること指導の経験や熱意安定した通信環境といった項目です。国家資格や検定合格を必須条件として掲げているものは、当サイトの観測範囲ではありません。ただし件数が少ないため、これを一般化しないでください。 当サイトが見ている範囲がそうだった、というだけです。

なお当サイトは全案件に「必要な英語力」を判定して付けています。日本語を教える仕事であっても、依頼主とのやり取りは英語になることが多いという点は、資格の有無とは別に見ておいてください。

なぜ当サイトに日本語教師の案件が少ないのか

収集の失敗ではありません。職種の取引構造そのものです。

オンライン日本語教師の主戦場は italki・Preply・Cafetalk などのレッスンプラットフォームで、Upwork のような案件掲載型ではありません。

これらは Fiverr と同じ構造で、教える側が自分のレッスンを出品し、生徒が選んで購入します。 「募集中の案件」という公開データがそもそも存在しないため、当サイトのような案件情報サイトが扱える対象がありません。

つまり掲載が3件しかないのは、この職種の取引が案件掲載型で行われていないことの反映です。日本語を教える仕事を本気で探すなら、当サイトの一覧だけを見ていても足りません。出品型のプラットフォームを併せて見てください。

資格が無い人が、いま取れる順番

  1. 資格が要る場所を目指すのか決める。 国内の認定日本語教育機関で教えたいなら、国家資格の制度を一次情報で調べるところから始まります。この記事の範囲外です。
  2. 出品型のプラットフォームに Community Tutor として登録する。 資格なしで始められる枠です。ただし生徒がつくまで収入はゼロです。
  3. 同時に、案件掲載型で日本語がそのまま条件になる仕事を受ける。 日本語指導に限らず、音声収録・文字起こし・翻訳など、日本語ネイティブであること自体が条件になる案件があります。応募して受注すれば報酬が確定するので、収入の立ち上がりが早いのが利点です。
  4. 実績ができてから価格を上げる。 出品型は自分で価格を決められます。最初から高くは付けられませんが、上げる余地は自分の手の中にあります。
2と3は両立します

出品型は「生徒がつくまでゼロ」、案件応募型は「受注すれば確定だが単発が多い」という性質です。弱点が逆なので、片方だけに絞る理由がありません。

よくある質問

資格が無くてもオンライン日本語教師になれますか?
レッスンプラットフォームには資格が無い人向けの枠(italki の Community Tutor など)が用意されています。ただし価格帯の上は資格のある枠に設定されているため、報酬面では差が出ます。また2024年4月に始まった国家資格「登録日本語教員」は、国内の認定日本語教育機関で教えるための制度であり、海外の学習者にオンラインで教えることの前提ではありません。
日本語教育能力検定試験を持っていれば国家資格になりますか?
なりません。日本語教育能力検定試験は2024年4月以前から認められていた民間試験で、国家資格「登録日本語教員」とは別のものです。経過措置として検定合格者は日本語教員試験の基礎試験が免除されるとされていますが、2024年以降に合格した検定は経過措置の対象にならないという記述があります。当サイトは一次情報を確認していないため、必ず公的な案内でご確認ください。
未経験でも応募できる案件はありますか?
当サイトは全案件に「初心者向けかどうか」を判定して付けており、掲載中の31%が該当します。ただし日本語指導に限ると掲載自体が3件と少なく、そのなかに未経験可のものがあるかは時期によります。日本語ネイティブであること自体が条件になる仕事という意味では、音声収録や文字起こしの方が未経験可の募集を見つけやすい傾向があります。
英語ができないと無理ですか?
教える相手が日本語学習者である以上、レッスン自体は日本語で成立します。ただし依頼主やプラットフォームとのやり取りは英語になることが多いです。当サイトは全案件に必要な英語力を判定して付けているので、応募前にその欄をご確認ください。英語がほとんど不要な案件だけを集めた一覧もあります。

資格制度の記述は、大学の通信教育部や日本語教師向け情報サイトの記載にもとづくもので、文化庁・文部科学省の告示そのものは当サイトで確認していません。italki の記述は公式ブログの記載にもとづきますが、手数料の率は公式が公開していないため断定していません。当サイトの掲載件数は毎日の巡回から自動で差し込んでいます。

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